安倍晋三はトランプと渡り合えるのか?
高支持率なのに信用されない安倍政権の本質とは
作家・哲学者の適菜収が「安倍政権の無能と欺瞞」を討つ!
現在、安倍政権を支持しているのは、利権がある連中か、単なる反左翼の思考停止した連中(保守系論壇誌に多い)か、新自由主義を保守と勘違いしているバカか、改革幻想に踊らされた花畑だろう。戦後の幻想の平和に酔っていた「戦後民主主義者」と安倍支持者は同類である。幻想のリアルポリティクス(実態は売国)に酔っているだけで、平和ボケであることに変わりはない。
いつの時代でもそうだが、バカは敵を間違えて取り返しがつかないことになる。今、保守および真っ当な日本人が戦わなければならないのは、民進党でも共産党でも朝日新聞でも日教組でもない。国の根幹を破壊し続ける安倍政権である。
現在、わが国を蝕んでいるのは悪性のニヒリズムだ。
「安倍さんは大きな目的のために戦っているんだ」
「大義のためには妥協も仕方がない」
「政治家がウソをつくのは当たり前」
本書でも述べてきたように、病はまず「言葉の扱い」に表れる。
外傷は一瞬で気づくが、胃ガンなどの内部の病気は末期まで気づかないことがある。外敵の脅威は猿でもわかるが、内患の問題は見逃されがちだ。
二〇一六年八月八日に天皇陛下が「お気持ち」を表明された件に関し、官邸は不満を持ち、宮内庁長官の首をすげ替え、次長の人事も掌握した。不敬の一言である。
二〇一六年九月二六日、国会で安倍は「(自衛隊員らに)心から敬意を表そうでありませんか」と呼び掛け、自民党議員は示し合わせたかのように、ほぼ総立ちで拍手を送ったという。議論の場でこうした行為が発生するのは極めて異例。どこかで見た光景だと思ったら、北朝鮮だった。
二〇一六年一〇月二六日、自民党の「党・政治制度改革実行本部」は、党則で連続「二期六年まで」と制限する総裁任期について「三期九年」に引き伸ばすことを決めた。
われわれ日本人は正気を取り戻すべきである。
本書では、安倍という一個人を社会の拡大鏡として利用した。
残念ながら、これが今の日本の現実だ。
適菜 収
(※話題の新刊『安倍でもわかる政治思想入門』本文一部抜粋)
著者略歴
適菜 収(てきな・おさむ)
1975年山梨県生まれ。作家。哲学者。ニーチェの代表作『アンチ・クリスト』を現代語訳にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』(以上、講談社+α新書)、『日本をダメにしたB層の研究』(講談社+α文庫)、『日本を救うC層の研究』、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(以上、講談社)、『死ぬ前に後悔しない読書術』(KKベストセラーズ)、『なぜ世界は不幸になったのか』(角川春樹事務所)など著書多数。安倍晋三の正体を暴いた渾身の最新刊『安倍でもわかる政治思想入門』(KKベストセラーズ)が11月16日に全国書店、Amazonで発売。
- 1
- 2